sky-cafe

息子と2人、1日1日を丁寧に暮らしています。

父の命日

父の命日だった

息子の方が
よく覚えている

もうそんなに経つのだと
驚く

日々の会話に
父が登場しない日はない

離れて暮らしていたこともあり
まだ田舎で教室を開き
あちこち出掛けている
そんな感覚がある

故人を思うたび
故人の上に花が舞う
そんなことを聞いてから
父の上には
毎日毎日
花びらが舞っているのだなと
穏やかな気持ちになる

元カレの父親の方が
父より先に亡くなった
脳梗塞
倒れてから一週間も経たず
病院のベッドで亡くなった
確執があり最期まで
わかり会えることはなかった
突然の別れ
ずっと支えた
懸命に支えた

父が亡くなった日
元カレと
ランチに行く約束をしていた

父は癌を患い
ずっと入院していた
だから
いつかそんな日が来る
息子も私も
そんな覚悟をしていた

けれど
母からの電話に
頭が真っ白になり
声が震えた

帰らなければ
息子に伝えなければ
学校に伝えなければと焦り
動揺する

その傍らで
ランチに行くのか行かないのか
苛立つ元カレがいる

ランチに行くのか行かないのかを聞いてくる
自分にも予定があるから
さっさと決めてもらわないと困る的な

勿論
慰めの言葉などない

あぁこの人はそうだった
他人の痛みなど分からない
でも自分の痛みは
こんなに悲しいんだ
こんなに苦しいんだ
こんなに辛いんだ
痛い痛い
そういう人だった

そんなことまで思い出す
父の命日